リハビリテーション

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リハビリテーションのご案内

服薬や精神療法とともに、作業療法や心理教育といったリハビリテーションをおこなっています。
その人らしく生き生きと暮らせるように、様々なプログラムを用いて支援しています。
以下に、簡単にリハビリテーションについて説明します。

Ⅰ.精神科作業療法
(Occupational Therapy 以下OT)

精神科のリハビリテーションの中で大切にしているのは、「本来の自分の生活感覚と自信を取り戻す」ということです。精神疾患は、他の疾患に比べて、具体的な回復の見通しが立てにくく、必要以上に自信を無くしたり不安になりやすい特徴があります。

当院の作業療法では、特に以下の3つの点を大切にしています。

  • 1「今の自分を受け入れられるような、サポーティブな寄り添い」
  • 2「時間をかけた、自分自身への自信の取戻しの援助」
  • 3「病気による障害を抱えていても、生き生きと自分らしく生きていけるという、前向き肯定的な気持ちをもてるような援助」

ここでは、当院の作業療法の流れや、プログラムを簡単に説明します。

1.治療の流れ

  • 1初回面接とオリエンテーション
    入院後およそ1週間以内で、主治医の指示のもと、作業療法士が面接を行います。そこで、症状やご本人の困っていること、退院後の生活についてなどが話され、具体的な作業療法のプログラムをご本人と決めます。
  • 2定期評価とプログラムの見直し
    3か月に1度の定期評価を作業療法士が行い、目標に沿ったプログラムになっているかご本人と再検討し、主治医にフィードバックします。
  • 3看護・他職種との連携
    病棟で毎日行う看護の申し送りとカンファレンスへ、作業療法士や精神保健福祉士などの多職種が参加し、リハビリテーションの経過や問題点の共有がはかられます。

2.様々なプログラム

  • 1急性期・亜急性期のプログラム
    • 作業療法士と1対1で行うベッドサイドOT。急性期の混乱が軽減し始め、少しづつ現実的な行動を開始することを目的にします。茶話や、リラクゼーションプログラムなどを取り入れ、負担のないプログラムが中心です。
    • 病的な世界から少しづつ離脱できるよう、精神的に負担の少ない軽体操のような集団のプログラムへの参加を進めます。
  • 2回復期のプログラム
    • 現実への移行の準備をめざし、心身の機能回復が目的になります。基礎体力をつけたり、楽しむ体験などを通し、疲弊している精神の活性化を促します。
    • 絵画や手芸、運動など具体的な活動の他に、疾病について学ぶ「心理教育」や、服薬の必要性などを学ぶ「お薬教室」など、言語的な活動も増えます。
    • また、小集団を利用し、ありのままの自分を他者から受け入れてもらう受容体験を目的とする、「小グループでの活動プログラム」も増加します。
  • 3退院前プログラム
    • 社会生活に向けて、現実検討や生活適応のためのプログラムが多くなります。グループ内でも発言や、役割などが求められ、対人交流や自立を求める活動になります。
    • 具体的な活動には、自分の趣味や得意なことなど、より現実的な内容がもちいられます。
    • 必要な方には、デイケアの体験参加や、就労相談がはじまります。
    • 必要に合わせ、自宅内での家事や、公共交通機関の利用、自家用車の運転などの日常生活の不安な点も練習します。

Ⅱ.心理教育

1.心理教育の狙い

 心理教育の目的の一つは、自分の病気や障害についての理解を深めることです。正しい知識が不安や再発の軽減につながります。2点目はグループワークを通して「問題や困難に対する対処法、コミュニケーションスキル、ストレスマネジメントの力を身に着けられる」ようになることです。
 参加した対象者が自分らしく生き生きと生活できる力を身につけることで、病気になっても「何とかなりそう」という可能性の感覚が膨らみ、生活の場に戻っての様々な工夫が生まれます。

2.心理教育プログラム

週1回、多職種による教育プログラムが行われます。

3.グループディスカッション

 心理教育はグループワークディスカッションを大事にします。
自分だけの特別な病気でないという気付きや、しんどさへの共感がとても大切です。前向きに病気と折り合う力にもつながります。

  • 入院初期の方
  • 躁鬱などの感情障害の方
  • 統合失調症の方

等レベルや疾病別の小グループに分かれ、様々なことを話し合います。
担当は、作業療法士と看護師です。


心理教育プログラム例

Ⅲ.服薬指導「お薬教室」について

1.「お薬教室」の狙い

 服薬に対しての不安を取り除き、薬物療法への理解を深めること、副作用などの身体への影響を正しく理解し、服薬の必要性を理解すること、自分の治療に対して主体的にかかわれるようになることが目的です。

2.担当者

 薬剤師、作業療法士、看護師が担当します